<第3回小布施短編映画祭>
小布施町は、江戸後期に活躍した天才絵師葛飾北斎が、その晩年を過ごし、数多くの傑作を生み出した町です。
当時としては奇抜なクリエイティブを生み出す人材を快く招き入れ、後世に評価される作品づくりを支えたのは、町の旦那衆でした。
現代を生きる私たちもその姿に学び、時代の一歩先の見据え、様々な視点で新しいモノ・コトを生み出すクリエイティブな人材を応援できる環境をつくりたい。
そして、そんな人々との交流から、私たち自身も新たな視点を学び、文化を育みたい。
2019年、早春。
私たちは、そんな思いを胸に、「小布施短編映画祭」を開催しました。
新たな作品、新たな人々、そして新たな世界。
映画祭という形で私たちが蒔いた種は、さまざな形の出会いとなって花を咲かせてくれました。
ここでの出会いを結実させ、次の新しい種へとつなげていくことを目指し、意気込んで企画した第2回小布施短編映画祭は、COVID-19の影響により、中止を余儀なくされました。
この悔しさをばねにして、気持ちを新たに第3回小布施短編映画祭を開催します。
今度こそ、これまで2年間でのたくさんの出会いを、次につなげていける場をつくることを目指します。
〈コンセプト〉
「みるから、つくるへ」
小布施短編映画祭は「みるから、つくるへ」を新たなコンセプトとし、ただ映画を観るという映画体験から、映画を通じて関わる全ての人が「つくる」を体験する場づくりを実践します。
1.映画でつくる
映画祭の開催は、映画を通じた人々の出会いや関わり合いをつくることにつながります。映画館では生まれない、みた人同士の出会いと関わり合いを、映画祭だからこそ生み出していきます。
審査会や交流イベントを通じて、ただみるだけだった映画が、関わりをつくり 、豊かさをつくるメディアにかわります。
2.映画をつくる
これまでの映画祭は、すでに制作された映画を集めて上映し、みることに終始していました。
これからの小布施短編映画祭は、これまでの出会いを結実させ、新進気鋭の映画監督や、将来有望な役者たちとともに、映画をつくっていきます。
3.映画とつくる
小布施短編映画祭は、「小布施」という地域で生まれた小さな映画祭です。そこに暮らす人々に寄り添い、地域の新たな文化をつくることを目指します。
また、地域の人々が参加できるイベントを通じ、幅広い世代が映画に触れ、新しい世界と出会う場をつくります。
<第3回小布施短編映画祭の部門と賞について>
・本映画祭は、2つの部門に対し、各々2つの賞を設けています。各部門の各賞にノミネートされた作品よりグランプリを決定します。
・各部門・グランプリの審査員はそれぞれ異なり、それぞれが独自の視点から優れた作品評価します。
【グランプリ】
第3回小布施短編映画祭では、グランプリを設けます。
各部門各賞にノミネートした作品を、改めて総合的に審査し、最も優れた作品の贈られます。
グランプリの審査は映画祭当日の投票により実施します。3月27-28日に実施予定の第3回小布施短編映画祭に参加するすべての映画祭関係者(観客や下記のみんなが審査員、ゲスト審査員などすべてを含む)が投票権を持ちます。
副賞:賞金20万円
【2つの部門と2つの賞について】
本年度より、小布施短編映画祭では異なる視点をもつ審査員がそれぞれ作品の審査を行います。
このため、2つの審査部門を設定し、各部門ごとに作品賞、俳優賞の2つの賞を設けます。
①鴻山部門
・鴻山部門の作品賞は、「この映画が一番好き」「感動した」「面白かった」など、最もオーディエンスの心に響く作品に贈られます。
・鴻山部門の俳優賞は、作中で「あの演技に心を奪われた」「目を見張った」「思わず引き込まれた」など、気迫に満ちた演技を見せた役者に贈られます。
②北斎部門
・北斎部門の作品賞は、テーマの新規性や先見性、映像表現としての新しさを評価基準に、時代の一歩先を見据えた作品に贈られます。特にストーリーや脚本としての面白さ、作品に込められたメッセージ性、作品全体としての作家性などが、評価の基準になります。
・北斎部門の作品賞は、作中での演技力の高さを評価し、作品の独自性をオーディエンスに伝えることに最も貢献した役者に贈られます。
※各部門の作品賞、俳優賞の副賞は現在調整中です。
【各部門の審査員について】
①鴻山部門|みんなが審査員
第3回小布施短編映画祭の作品審査を行うことを目的とし、小布施やその近隣から集まった一般市民によって構成される「みんなが審査員」が作品の審査を行います。
②北斎部門|ゲスト審査員
映画や映像の第一線で活躍する3名方々によって構成される「ゲスト審査員」が作品の審査を行います。
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〇関和亮氏(映像ディレクター/小布施町出身)
1976年生まれ、長野県小布施町出身。音楽CDなどのアートディレクション、ミュージックビデオ、TVCM、TVドラマのディレクションを数多く手がける一方でフォトグラファーとしても活動。サカナクション「アルクアラウンド」、OK Go「 IWon’t Let You Down」、星野源やPerfumeのミュージックビデオなどを手がける。第14回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞、2015 55th ACC CM FESTIVAL 総務大臣賞/ACCグランプリ、MTV VMAJやSPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDS等、多数受賞。
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〇外山文治氏(小布施短編映画祭プロデューサー/映画監督)
1980年生まれ、福岡県出身。日本映画学校(現・日本映画大学)演出ゼミ卒。老老介護の厳しい現実を見つめた短篇映画『此の岸のこと』が 海外の映画祭で多数上映され、「モナコ国際映画祭 2011」で短編部門・最優秀作品賞をはじめ5冠を達成。長編映画監督デビューを飾った映画『燦燦ーさんさんー』(東京テアトル)は全国36館にて上映され「モントリオール世界映画祭2014」より正式招待を受ける。2017年、芳根京子主演『わさび』、吉行和子主演『春なれや』など、製作・監督・脚本・宣伝・配給を個人で行う「映画監督外山文治短編作品集」を発表し、ユーロスペースの2週間レイトショー観客動員数歴代1位を樹立。2020年、豊原功補、小泉今日子らと共に「新世界合同会社」を立ち上げ、村上虹郎・芋生悠W主演の長編映画『ソワレ』(東京テアトル)を公開。
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〇ミヤザキタケル氏(映画アドバイザー)
1986年、長野市生まれ。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。WOWOW・sweetでの連載の他、映画board・文春オンラインなどで映画を紹介。各種webサイト・雑誌(anan、BRUTUS、Penなど)への寄稿、ラジオ・イベント・映画のカメオ出演など幅広く活動中。『GO』『ファイト・クラブ』『男はつらいよ』とウディ・アレン作品がバイブル。